飛車丸さんとKamiruさんにトワさんをまかせ、私は姫様を追う。
手違いや、偶然での戦闘が起こる。
PTが前後に分かれたため、大急ぎで両姫様の許を往復する。
周囲をオークFが取り巻いている。
慌てて飛び込む。
剣が振り下ろされ、矢が放たれる。
数は少ないものの、魔法も飛ぶ。
気がつくとトワさんと姫様が倒れている。
「やっぱり、無理だったかー^^;」
Kamiruがのんきなことを言っている。
復活スクロールを使う。
トワさんはともかく、もう1人の姫様は、ショックだった様だ。
「私、帰ってもいいかな」
「みんなで帰還しましょう」
用事がある、という飛車丸さんが飛び、姫様が飛んだ(はず)。
私たち3人がTIの町に戻っても、姫様の姿がない。
あちこち探し、声を張り上げたが、見つからない。
「飛んだはず、だよね」
「ランテレ、だったかな?」
「私、TICに戻って見てきます」
「ファルクが行っても見つからないよ」
沈黙
私は、ふと呟く。
「姫様って、みんな特攻なんだ・・」
「ん?私、特攻してないよ」
「今日は、ね(^^」
クスクス笑っていたKamiruが爆笑!
「あんた、笑いすぎ!!」
トワさんのパンチが飛ぶが、Kamiruの笑いは止まらない。
***
いつからか、傍らに♂Wizが立っていた。
つかつかとトワさんに近づくと、抱きしめた。
3人は呆気を取られた。
♂Wizは何度も抱きしめ、キスを繰りかえす。
「誰?」
「だれでしょ〜^^」
「・・トワの大好きなひと?」
「^^」
♂Wizは私を振り返り、いきなりエネルギーボルトを撃ってきた。
「ほら、見てないでかかっておいで^^」
「私は、人間を殴りません」
「大事な姫様を取られても?」
「トワさんの友達なら、なおさらです」
「・・あんたも素敵だよ」
そう言うと、♂Wizは近づいてきて
ちゅ
「あ」
この香り、ケリーママ!
>「ケリーママですね?」
「誰でしょ〜^^」
♂Wizは笑いながら去っていく。
「ファルクさん、大事な人は、自分で守らなきゃだめよ^^」
>「トワさん、あの人・・」
>「うん、ケリーママだよ・・」
>「やっぱり・・」
私は後姿を見送っていた。
トワさんの眼に立ち上るなにかに、気がつかなかった。
***
翌日、トワさんから連絡があった。
>「私、トワをしばらく休むよ」
>「どうして?」
>「疲れちゃったから」
>「で、いつまで?」
>「わかんない」
>「・・・」
>「ファルク、明日、ある人を紹介するよ。ファルクがよければ、その人の所に
>預かってもらう」
>「私は、トワさんが元気になるまで、1人でいます」
>「ファルクはもっと、知り合いを増やした方が、いいよ」
そういうと、トワさんは落ちていった。
気がつくと、肩書きが付いていた。
緑色で「221」
なぜか、涙色に思えた。
――― 第一部 完 ―――
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