ある日、全チャでケント城攻城戦がある旨、流れた。
見に行こうか。
狩りに疲れていた。
@「トワさん、攻城戦ですって」
@「全チャ見たよ」
@「見たこと、あります?」
@「あるけど?」
@「私も見に行こうかな」
@「・・ファルク、いまどこ?」
@「TIの広場です」
@「そこにいて」
数瞬後、目の前にトワさんがいた。
目つきが険しい。
「ちょっと、こっちにきて」
町はずれの小屋の裏に連れて行かれる。
「ファルク、戦争、興味あるの?」
「興味っていうか、あの・・」
「人同士が殺しあうんだよ!遊びで大勢が殺しあうのを、あんた、見たいの?」
トワさんが、怒っている。
いろいろ、諭される。
「トワは戦争なんて、しない。ファルクの大事な人が相手陣地にいたら、あんた、
どうする気?」
「・・・」
「どうするの?行くの?」
「・・・行きません」
「うん、それがいいよ」
1呼吸、2呼吸
いつものトワさんに戻った。
私もまた、人間を戦いの相手に思えない自分に気がついていた。

***

勇者の証イベントもあと2日
集めるともなく集まった、「証」は50個を超えていた。
2日間の休暇の予定を立てて、グルのプライムのところに行った。
さすがに人だかりになっている。
プライムは事務的に50個の「証」を抜き取ると、
「真実と幸運、どっちがいい?」
と指輪を2つ見せた。
真実はいつも、自分の心の中に見出そう。
「・・・幸運」
指輪を受け取ったとき、ファインダー先輩からクラチャが入った。
@「ファルク、調子はどうだい?」
@「Lv19になりました」
@「おぉ、早いな〜。俺は証集めが、もうひとつなんだ。」
@「TI西の森に蜘蛛が戻ってますよ」
@「いなくなっていたのか?」
@「一時、ね(^^」
@「・・・サンキュ、いってみる」
@「私は50個集めたから、終わりにします」
@「そうか、なににした?」
@「幸運リング」
@「・・ファルク、ナイトなら、真実だろ?」
@「そうなんですか?」
@「・・ネットでしらべてみ」
@「はい」
@「まだ時間があるから、真実、狙ってみな」
@「明日、あさっては旅行にいくんです。」
@「そうか・・、まぁいいけどな。情報ありがとう」
クラチャは切れた。

***

二日間、旅に出た。
が、どうも気にかかるファインダー先輩の一言。
予定より早めに、帰還。
イベント終了5時間前。
勇者の印、手持ち1。
ケント付近を
ケント〜グル街道を
グルの西の森を
飛ぶように駆け抜ける。

スライムレース場の北で、Wizと騎士が立ちすくんでいる。
足元に犬が横たわっている。
「犬、逝っちゃったんですか」
「はい、無理させちゃって」
「復活させていい?」
スクロールを紐解く
「ありがとう」
「気をつけて」
それ以上、振り返る余裕は、ない。
時間は過ぎる。
集まり方が停滞してくる。
TIに戻った。
いままで行かなかった、南の森へいく。
人気が、ない。
ウェア、蜘蛛、スケルトン、オーク類
イベント終了、1時間30分前。
50個の証を持ってグルに向かう。
船を待つ余裕はない。
テレポートに1500A払って、瞬間移動。
プライムがなにか言い始める前に、証を押し付ける。
奪うように「真実のリング」を受け取る。
今度こそ、終了。
@マークをつける。
@「ファインダー先輩、真実リングを受け取りました。」
@「え?だって旅行は?」
@「行って来ました」
@「あと9個が出ないんだよ」
@「どこです?」
@「グルの北」
@「TIの南、よく出ました」
@「TI、か。船ないな」
@「あい、行くなら急いで」
@「さんきゅ」
犬を返しにケントへ向かう。
祭りの終わる前の活気が、ある。
1人のWizが声をかけてくる。
「真実リングと、幸運アミュを換えてくれませんか?」
「ごめんね、幸運リングなら、余ってるけど」
「じゃ、幸運リングと真実アミュを換えてください」
私にとっての、イベントが終わった。


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