18.引退式
約束通り、トワさんに会いにTIに出かける。
もうファインダー先輩は登録を済ませていた。
しかし
明らかに連絡の付かなかったクラン員の方が多い。
隙間だらけの名簿。
トワさんの横顔が、寂しげ。
「さて、再開記念クラハン、しようか(^^)」
「・・ファインダー先輩、居ませんよ」
「ファルクと二人でいいよ^^」
TIの町を出て、修練場を通り過ぎる。
岩壁に隠された洞窟
通称TIC
「ファルク、入ったことあったっけ?」
「ないです」
「じゃ、案内するね。ゴー^^」
内部は入り組んだ迷路。
私は一応、騎士として、通路の角毎、通り抜ける部屋毎に注意を払う。
が
トワさんは、まるで野原の散歩のようにヒョイヒョイ抜けていく。
追いつくのが大変。
「トワさん、危ないから下がって」
「何言ってるの、このくらいで^^」
オークファイター(オークF)、ゾンビ、ストーンゴーレム(岩ゴレ)をあしらいながら
洞窟の奥へ進む。
深部に階段を見つける。
「ファルク、ここからが本番よ」
***
トワさんの先にたって、階段を下りる。
石敷きの遺跡のようなホールに出る。
青銅の壊れかけた大扉。
そこから斧を持ったスケルトン(骨斧)が駆け寄ってきた。
強い!
あきらかにいつものスケルトンとは、違う。
骨斧と、力比べになる。
押し返し、押し戻される。
別の、弓を持ったスケルトン(骨弓)が這い出してこようとする。
弓がなり、矢が私の鎧に弾かれる。
トワさんは私の横をすり抜けると、青銅の大扉を閉めようとする。
何箇所か手傷を負いながらも、骨斧を倒す。
トワさんを手伝って、扉を閉める。
「・・はは(^^;」
暗がりでトワさんが笑う。
壁の警告文。
「禁じられた事を可能にする道は3つ:
一つ目 遠く険しくとも正直に進む道。
二つ目 簡単にいけるが不正な道。不正な道を行く者には最後には災いが待っている
だろう。
三つ目 隠された道。鍵は箱の中にある。そして死もやはり箱の中に」
「ファルク、判る?」
「・・・」
ホールを抜けると、鍵のかかった扉。
さらに進むと、小さな部屋に階段がひとつ。
部屋に足を踏み入れると、壁から矢が連射してくる。
一旦後退。
あっ
「わかった」
「ん?」
「最初の、骨が出てきた扉が、第一の道。鍵のかかった扉が第三の道。これが第二の道
なんだ!」
「ふむ・・。行ってみようか?」
「はい」
降り注ぐ矢を払いながら、階段を下りる。
出た先で、またしても矢の雨。
「ファルク、こっちよ」
もうひとつの階段を無視して、小部屋を出る。
そこには骨弓が待ち構えていた。
弓なりがし、矢が刺さる。
突進して切り結ぶ。
トワさんのシルバーロングソード(SLS)が援護してくれる。
撃退。
次の戸口を、トワさんが潜る。
後に続こうとするが、どうしても入れない。
いろいろアドバイスをもらったが、どうにもならない。
そのうち、応答できなくなった。
次へ・・・