19.おれんぢTV

翌日からは目まぐるしかった。
ワールドに入ると、クランマークはない。
しばらくするとトワさんからWisが入り、Joinする。
その後、二人でTIを狩り歩く。
毎日繰り返される、トワさんの迷走。
その度に、クラン員が減っていく。
ある日、ファインダー先輩が言い出した。
「俺、しばらくPS2のFFにいくわ」
とうとう、二人だけになった。
その日、トワさんが落ち着いた。
単調に、時が過ぎ始めた。
TIの町外れで、トワさんを見つけた。
2匹のドワーフとじゃれている。
「こんにちは」
「あら、ファルクおはよ〜w」
「始めまして、騎士殿^^」
「始めまして、ドワーフ殿^^」
ドワーフに変身した若いプリンスは、ヘロヘロ、と名乗った。
もう一匹は、腹心のWiz、パロムさんだった。
「ファルク君はレベル、いくつ?」
「25です。ヘロヘロさんは?」
「32」
「おぉ、すごい」
「なに、すぐ抜かれるさ。騎士は成長早いから^^。で、ACは?」
「−12です」
「え?それじゃ、痛いだろう。これからはAC下げを心がけるんだね」
「そんなに困っていません」
「今はいいかもね。でも、この先を目指すなら、フルZELは絶対だよ」

***

しばらく、いろいろ教えてもらう。
ヘロヘロさんたちと別れると、広場に♂エルフがトワさんを待っていた。
「このキャラ、成人式を済ませたぞ〜^^」
「よっし、クランにはいれ〜w」
「これは行き先、決まってるんだよ」
「むー」
エルフはKamiru、と名乗った。眼が何より語る、不思議な魅力を秘めていた。
「じゃ、Venusは?」
「もう、ないw。なんなら、なにか作ろうか?」
「うん」
私はポツリ、と呟いた。
「・・いいな〜」
「ん?なにが?」
「私、トワさんにクランに入って、って言われたことない。」
「だって、ファルクは強制だもの^^」
「(^^」
「ところで、トワ。レベルいくつ?」
「まだ5だよん」
「じゃ、肩書きつけられないね。よし、トワのレベル上げにTICへ行こう〜」
「え〜、だってトワ、装備なんにもないよ」
「私の予備の骨セットがあります」
私が言うと、トワさんが振り向いて笑顔で一言
「貸して^^」
「あい」
倉庫から骨セットのほか、ダマ剣を含めた有り合わせを出してきて、渡す。
その時、別の姫様が声をかけてきた。
「レベル10なんだけど、一緒に行ってもいい?」
「もちろんです〜^^」
女性あしらいの上手さは、Venusさんを思い出させる。
もう1人、レベル21の騎士、飛車丸さんが同行してくれる。
みんなでPT組んで、TICへ潜る。
「今日は2階、なしね^^;」
珍しくトワさんがおとなしい。
代わりにもう1人の姫様が、元気いい。


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