夜、トワさんから連絡が入る。
TIにいく。
「ファルク、決まった?」
「竹流さんところは、ねぇ・・」
「行きたいところあるなら、それでもいいよ」
「わがまま言えば、ヘロヘロさんとこ、ですか」
「・・・ヘロヘロ、かぁ」
「だから独りでいますって」
そこに
「こんばん〜^^」
竹流さんがやってきた。
「トワ、リザでもいかない?」
「リザ、か。じゃ装備取ってくる」
トワさんが倉庫へ行き、二人になる。
「竹流さん所は、どんなクランなんです?」
「そうね〜、みんな好きにやってるよ。ちょうどファルク君と同じくらいの騎士が二人
いるから、お互いいい刺激になるんじゃない?」
「目標は?」
「一度だけハイネの玉座に座れたら、アジトを買って、ボスハント、かな」
「戦争、ですか」
「城取りは、言うなればプリの宿命だからね〜」
「私は、人間を叩けませんよ」
「戦争の時は自由参加にするから、気にしないでいいよ」
「そうもいかないでしょ?」
「どうせ、先の話よん^^」
「なんでハイネなんです?」
「ハイネの城から、ハイネの街を見せてあげたい人が、いるのよ」
「その人が言ったの?」
「僕が決めたの。思い込み、かな(^^」
そしてまた、ハモる。
「男のロマンですね(^^」
「男のロマン、だね〜^^」
ようやくトワさんが戻ってくる。
「なによ、やけに仲いいじゃない。何の話?」
「大した話じゃ、ないよ〜^^」
「男のロマンの話w」
「そ、ロマンw」
「なにさ、二人してー」
トワさんがおどけて拗ねる。
「さて、準備ができたら、リザ砂漠〜」
「犬は?」
「ウッドベック(WB)で出しましょ」
3人して、WBへ飛んだ。

***

犬を連れた、プリンス、プリンセス。そして騎士の変則パーティ。
限りなく寄ってくるリザ。
どうしても防戦の形になる。
そのうえ、竹流さんは、ハピを見つけると飛んでいってしまう。
見かけないな、と思うと、視線の外で固まっている。
それでも、一番頼りになるのが竹流さんとその犬達。
ふと、リザが途切れた。
「ふー」
一息ついた時、竹流さんが動いた。
トワさんが続く。
その時、死角からリザの群がトワさんを目指す。
私は群に飛び込んだ。
倒すはじから、リザが寄ってくる。
赤Pがこぼれるように減っていく。
辛うじて撃退した時、私ははぐれていた。
@「ファルク、どこ?」
@「さっきの場所の近くです。トワさんは?」
@「わかんない」
しばらく沈黙。
@「聞こえた?」
@「え?なにも聞こえません」
@「だいぶ離れちゃったか、どうしよう」
決まっている。
お互いに現在位置も相手の位置もわからないなら、目指せる場所に向かうまで。
@「私はさっきの城に向かいます」
@「じゃ、城壁の北の門に行くね」
@「あい」
途中寄ってくるリザを払いのけ、岩ゴレを迂回する。
目指すはウィンダウッド城
城壁の北角にたどり着く。
二人の姿は、見えない。
城壁に沿って南下。
「いた!」
「ファルク!」
トワさんと竹流さんは東の角付近にいた。
二人も、私同様、ずたぼろ状態。
「どうした?」
「気がついたら、ファルク、いないんだもん」
「あのすぐ後、リザのボックスに手間取りました」
「大声で呼びなよ」
「始末できたなら、たいしたものよん^^」
「すいません」
頭を下げる私に、トワさんが笑う。
「赤P、切れちゃったw」
「帰還スクで、帰りましょ」
「あい」
一瞬でWBに飛ぶ。
「犬、返してくるね」
トワさんが歩み去る。
私は竹流さんに声をかける。
「トワさんを守ってくれて、ありがとう」
「いやいや^^;」
「プリを守るのは、騎士の仕事なのに・・」
「違うよ」
「え?」
「クラン員を守るのは、僕らプリの仕事、さ^^」
守るべき相手に守られる・・。
まだ、ピンとこない。
「まぁ、クランと深く付き合えば、そのうちわかるよ」
「はい」
後は、戦術や武器の話で盛り上がる。
トワさんが帰ってきた。
「ファルク、靴は?」
「ショートブーツ、だったかな?」
「この前、あげたのは?」
「あ、ブーツでした」
「貸して、軽いのと交換してあげる」
ブーツを渡すと、レザーブーツ(レザブ)を渡された。
「上手に使ってね」
「大事にします。ありがとう」
あとは、言葉が出ない。
沈黙
張り裂けそうな気持ちで、形のクランマークを外し、トワさんに渡す。
搾り出すように、一言。
「お元気で・・姫様・・」
「・・聞きなれない言葉だ(;;)」
「・・言い馴れない、言葉です(;;)」
肩書きが、
消えた。
トワさんが、去っていく。
「さて、ファルク君、どうする?」
「近日中に連絡します。今日の明日って訳には、心の整理が・・」
「ふむ。色よい返事を待ってるよ」
「・・必ず、連絡します」


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