3.入隊

連絡しないまま、ケントを根城にうろつく。
「ファルクさん、クランマークが・・」
ケリーママの顔色が、変わった。
「・・はい」
「どうするの?もし・・」
「ママ、あのね」
「うん」
「私、ヘロヘロさん、好きです。でも、トワさんは竹流さんのところへ行けって」
「じゃ、ヘロヘロさんの所に、行くの?」
「二人ともトワさんの大事な友達なんです。竹流さんを袖にして他所へ行って
3人が気まずくなったら大変です。」
「・・そうだね」
「もう少し、考えます。」
「あんまり思いつめないのよ。判らなくなったら、またおいで^^」
「ありがとう」
ケリーママと分かれてすぐ、飛車丸さんに出会った。
「先日はありがとう」
「やぁ、姫様元気?え〜と」
「・・トワさん、療養中なんです。」
「あ、クランマーク・・」
飛車丸さんが目敏く、見つける。
「ファルク君、僕ンとこ、くるかい?うちは厳しいけど、それなりに楽しいよ」
「ありがとう、でも、思案中」
「困ったらWisPlz(笑)」

***

さらに日が過ぎる。
そうそうは待たせられない。
女性騎士の時子さんに連絡を取る。
時子さんは、駒子さん同様、トワさんと密接な繋がりがある。
ケントの南外れで、落ち合う。
「トワさん、もう寝ましたか」
「うん。しばらく起きないよ」
「そう・・」
「どうして?」
「最後にSS撮りたかったから」
「SS?シルバーソード?聞いてきてあげる」
返事も待たずに、時子さんが走り去る。
「SSは、ないな〜」
「?SS=スクリーンショット、です。」
「あ、そうか。でもトワは起きないよ」
「仕方ありません」
「・・ファルク、これ」
手渡されたのは、一本のダマスカスソード(ダマ剣)。
「トワが使ってた。騎士が持つべきさ」
「・・・預かります」
「じゃ」
「・・はい、また連絡します」
時子さんに聞こえたか、どうか・・。

***

その場で竹流さんにWisを入れる。
>「お世話になりたい、と思います。」
>「大歓迎だよ」
>「どこに行きます?」
>「ハイネ、わかる?」
>「よく知りません」
>「噴水まで来て。迎えに行くから」
ケントから、ギラン経由でハイネに到着。
思えばレベル10で迷い込んでから、17レベルぶりだ。
街の優美さは、変わらない。
>「着きました」
>「今行くよ」
広場の近くにある、一軒に案内される。
「ここは?」
「僕達の仮アジト^^;」
「仮アジト?」
「不法占拠、よん^^」
中には朝焼けの輝きを持つ、女性エルフが待っていた。
声に深い優しさが香りたつ。
「始めまして、Layraeです」
「Lay・・・え?」
「ライラエ、でいいよw」
「・・はじめまして。ライラエさん」
「さて、ウチのクランの方針は知ってるね」
「私はやっぱり、人を攻撃できません。」
「うん、自由参加で、結構」
「あたしも戦争は、行かないよ」
「あぅ(;;)」
竹流さんの前に歩み寄る。
そして
f1.ファルクが室町幕府血盟に加入しました。
入隊。
その頃、街々に見られるようになったばかりの花火が、上がった。
ライラエさんの心づくし。
いくつもの、いくつもの光の華が咲き集う。



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